Perfumeを筆頭に、BABYMETALのSU-METAL、元モーニング娘。の鞘師里保など世界に名だたる多くのアイドル&アーティストを輩出し続けている、アクターズスクール広島(ASH)。
その卒業生インタビュー、今回は2017年1月からpaletに新加入した反田葉月。
インタビュー前編では、ASHで学んだことや、仲間たちと過ごした広島時代の思い出を語ってもらった。
BoAのPVを見た瞬間に性格が変わった
──ASHに在籍していた当時のインタビューで「小さいころはおとなしかった」と言ってましたよね。
小さいころはほんまに暗くて特技もなにもなかったんです。だけどある日、カラオケでお母さんが歌った、BoAさんの「Sweet Impact」の本人映像PVを見て「自分も踊りたい!」って思ったんです。その瞬間から私、パーンと明るくなって、ずっと「イェーイ!」ってやってたんですよね。
──それから、ダンスを習うことになったんですか?
はい。ダンススクールをいろいろまわったんですけど、お母さんが知り合いの方から「ASHいいよ」って聞いたみたいで、小学校4年生のはじまりくらいに入りました。
──最初は、Fクラス(新人クラス)からですか?
いや、いきなりAクラスに入ったんです。ダンスもへたくそだったので、びっくりしました。Aクラスでは特に柔軟とかの基礎を大事にしてて、「家でもしっかりやってこないと、いざというときにできないよ」って言われてたんですけど、はじめのうちは体もかたくて痛いし、ちょっとサボってたんです。そしたら「家で柔軟やってないでしょ?」って見抜かれて。「うわー、バレるんだ!」と思って、そこからがんばるようになりました。
──ちなみにダンスの先生は誰でしたか?
CHRIS先生です。先生は、独特なダンスが多くて、カウントもすごく細かく入れるんです。だからちゃんとカウントが身についてないといけないので、基礎レッスンをしっかりやりましたね。
──自分としても、歌よりもダンスのほうに力を入れていたんですか?
そうですね、ダンスは得意でいたいと思ってました。
──BoAさんにあこがれてレッスンをはじめましたが、すぐに芸能界を目指そうと思ったんですか?
それが、ならなかったんですよ。ふふふ。「アイドルになりたい」って、フワッとは思ってたんですけど、いざ「これをやりたい!」って決まったのは中2のときです。「アイドルもできる女優さん」になりたいというきっちりした夢ができました。
歌に対する苦手意識があった
──ASHのときにあこがれていた先輩はいますか?
入ってすぐは中本さくらちゃん。それと、ひめたん(中元日芽香、乃木坂46)、すーちゃん(中元すず香、BABYMETALのSU-METAL)です。「うわーかっこいい!」と思ったのがさくらちゃんで。「うわー、かわいい! 透明感!」って思ったのがすーちゃんで、ひめたんは「アイドルだ!」みたいな。ふふふ。
──話をすることもあったんですか?
いや、あんまりしゃべれなくて。3人はあこがれでした。さくらちゃんとは2回クラスが一緒になったけど、ひめたんとすーちゃんは一緒にはならなかったです。
──見て学んでいたんですね。
はい、盗んでました。さくらちゃんはほんまに表情豊かで。ひめたんは曲によって動きがぜんぜん違ったんですよ。SPL∞ASHのときはハツラツで、かわいい曲のときはすごいブリブリしてるのに、かっこいい曲のときは、カクカク! みたいな。メリハリがすごかったです。すーちゃんはやっぱり透明感ですね。
──ご自身がした発表会のパフォーマンスで印象深いものはありますか?
MAX♡GIRLSが自分らしいかなって思ってました。元気で、かわいらしくて。カバーさせてもらってた「プリプリ♡SUMMERキッス」(SUPER☆GiRLS)は、自分に作られた曲なんじゃないかというくらい大好きでしたね。
──MAX♡GIRLSには結成時から参加してますよね。
はい。CHRIS先生のP企画(先生たちがユニットを選抜するオーディション)としてはじまりました。やるときに「スタイルが良く、かわいく、アイドル!」って言われたんです。でも、最初はなかなかかわいい雰囲気にそろわなかったんですよ。「こんなんでいいのかな…」って、みんなで手探りでした。でも、いざ発表会に出たらちゃんとMAX♡GIRLSになってて。ふふふ。MAXなんですよ、みんな。
──人数も多かったですよね。
最初はまとめてくれる人がいたんですけど、自分が年上になってまとめる側になったとき、小学生と中学生にいっぺんに同じように伝えても、小さい子は理解できないから、言い方や教え方を考えながらいろいろやってました。
──そういう役割の変化も、いい経験になりますね。
そうなんですー、ふふふ。
──発表会のソロで印象に残っているものはありますか?
実はソロは受かったことがないんですよ。グループユニットだけで。よく不思議って言われるんですけど、歌が苦手なんですよね。
──歌に対する苦手意識があるんですか?
ありましたね。最初から。
──レッスンもあまり好きじゃなかったんですか?
いや、うまくなりたいけん、めっちゃ本気でがんばってました! 歌い込んだらできる派なんですよ。でも、いざテストになると緊張して「うわ、やばい」ってなっちゃって。カラオケとかひとりの空間だったら歌えるのに…緊張しいなんです。
──ステージに上がる前もかなり緊張しますか?
はい。「バン!」って背中をたたいてもらって気合いを入れてます。
MAX♡GIRLSは青春時代の仲間たち
──在学中に、ほかの生徒たちが先にデビューしていきましたが、どんな心境でしたか?
うーちゃん(Dancing Dollsの植木美心)が行ったときは、意識しましたね。私より年下なので、年齢的にも「やばいな」って思って「なにが足りんのじゃろう」「次に行くのは自分じゃ」と言葉にしながらがんばってました。まわりにも「次は自分です」って言ってましたね。
──自分に足りないと思ったのはなんですか?
歌ですね。そこから、ボイスレッスンも先生に「これが苦手なんです」とか「これはできるんです」とか具体的に相談しながらやるようになりました。
──植木さんとは交流もあったんですか。
はい。最初のころはMAX♡GIRLSでも一緒にやってたし、CクラスでもBクラスでも一緒のときがありました。
── ASHのメンバーでいまも連絡を取っている人はいますか?
みいてぃん(SPL∞ASHの米田みいな)とは、ほんまに家族みたいな関係です。年下とは思えないくらいしっかりしてて、話も合うし。だから、メールも毎日のようにしてるし、東京にも遊びに来させたりしてます。ふふふ。
──ほかにデビュー組だと、AKB48チーム8の谷優里さんも在籍時期はかぶってますよね。
はい。優里ちゃんとは、MAX♡GIRLSのときが特に仲良かったと思います。MAX♡GIRLSのメンバーでふたつくらいに別れるとしたら、一緒のグループだったんで。一緒にコンビニに買い物に行くとか、すごく小さなことなんですけど。ふふふ。
──谷さんもMAX♡GIRLSのメンバーだったんですね。
そうなんですよ。けっこう集まってて、瑠々ちゃん(ハロプロ研修生の段原瑠々)もいたし、理子ちゃん(アイドルネッサンスの石野理子)もいたし…。みんな青春時代の仲間ってかんじですね。
──すごいメンバーですね。反田さんの考えるASH出身者の共通点はなんですか?
やっぱり、どこに行ってもダンスと歌は強いんじゃないかと思います。あとはしゃべる機会も多いんで、トーク力も。基礎を学んでるから、それぞれの場所に行っても伸ばしていけるっていうのが、卒業生の強みだと思います。
[「ASHの名に恥じない存在に」反田葉月(写真5枚)インタビューに続く]
撮影=石垣星児
執筆=森野広明