高い表現力に注目が集まるアイドルネッサンスのエース 石野理子インタビュー

高い表現力に注目が集まるアイドルネッサンスのエース 石野理子インタビュー
この記事は2015年8月3日に「LoGiRL」で公開されたものであり、内容は初出当時のものです。

アクターズスクール広島(ASH)卒業生インタビュー、今回は(株)ソニー・ミュージックアーティスツ初のアイドルグループ、アイドルネッサンスで活動している石野理子。
彼女がASHで学んだこととは──。


仲間と出会う場所はスクールから新幹線に

[PROFILE]
石野理子(いしの・りこ)
2000年10月29日生まれ。20期生。(株)ソニー・ミュージックアーティスツ初のアイドルグループ、アイドルネッサンスの一員として2014年7月7日に1stシングル「17才」でデビュー。ボーカルの表現力はアイドル界屈指との呼び声も高い。4thシングル「夏の決心」が2015年7月28日に発売。

──ASH歴はどのくらいですか?

小学2年生からはじめて、小6で1回休んで、そのあと中1から中2までやっていました。すごい、合計6年間もいたんですね。

──いまもスクールに顔を出すこともあるんですか?

広島で時間があるときは、ボイスの田中先生に個人レッスンをしていただいてます。

──いまはアイドルネッサンスとして活動していますが、ASHで一緒にレッスンをしていた人たちと連絡を取り合うことはありますか?

ずっと仲がいいのはSPL∞ASHの(今村)美月ちゃんですね、よくご飯を食べにいったりしてます。あとは(ハロプロ研修生の)段原瑠々ちゃんです。よく新幹線で一緒になるんです。このあいだ東京行きの始発に乗ったときに、うしろの座席に(段原)瑠々が座ってて、びっくりしちゃいました。

最終の新幹線で一緒になったときも近くに瑠々がいると、隣で4時間ずっとおしゃべりするときもあります。新幹線では、うーちゃん(植木美心)ともたまに一緒になります。ふたりともちょうど同じぐらいの時期に東京に行くようになったので、最近よく話すようになりました。

──そもそもASHに入ろうと思ったきっかけは?

幼稚園のころからダンスを習ってたんです。そのときはただ踊るのが好きなだけだと思ってたんですけど、卒園するときに書いた将来の夢は「アイドル」でした。いま思えば、アイドルになりたかったんだと思います。それで、お母さんにすすめてもらって入りました。そのときはASHのことは知らなかったんですが、入ってからPerfumeさんが大先輩だと知って、すごいなと思いました。

──ASHでのレッスンの思い出はありますか?

一番最初のAクラスに入ったときは、レッスンのほとんどの時間を歌い方の基礎に使ってました。自分でピアノの鍵盤を押してキーをとる練習や、鏡に背中をつけて姿勢をよくして歌ったり、ペットボトルに水を入れて持って飛び跳ねて、マイクがブレないようにする練習をたくさんしてました。それはいまでも役立ってると思いますし、いまもたまに家でやってます。あとは、オーディションに向けて半年かけてひとつの曲を練習するので、1曲のなかでいろんなコツがつかめたりするので、それが他の曲にも生きてくるのかなとは思います。

──ASHは発表会に向けて学内でオーディションをするのが特徴ですよね。

はい。オーディションはこわくてこわくて、毎回緊張して、一度もうまくいったなという達成感を得られたことがないんです。中1の発表会でソロを歌わせてもらったんですけど、受かったときは信じられなくて、放心状態のまま家まで帰りました。あのときが一番うれしかったです。

──そのとき歌った曲はなんですか?

いきものがかりさんの「ノスタルジア」です。アイドルネッサンスを応援してくださる方のなかには、あの動画をきっかけに来てくださったという方もいるんですけど、実はいまだに私はあの動画見てなくて。

──それは恥ずかしいからですか?

そうですね。でも、ユニットの動画だけは見ちゃいますね。4人組でやってたマリアル(杉本愛莉鈴、石野理子、橋本茜、段原瑠々)というユニットで、最近も見ました。これは、懐かしむ感覚ですね。

鞘師里保と中元すず香がASHを引っ張っていた

──在学中に、ほかの人のデビューが決まったりすると悔しかったりしましたか?

悔しいというよりは、自分もがんばろうっていう気持ちになりますね。(鞘師)里保ちゃんがモーニング娘。さんに入ったときは、「なれるものなんだ」と思って、自分もがんばりたいなと思いました。

──鞘師さんはどんな方でしたか?

とにかく大先輩です。私がASHに入ったときからいて、そのときからオーラが違ってました。(鞘師)里保ちゃんと(中元)すず(香)ちゃんはずっとトップにいて、ふたりでASHを引っ張ってる感じでした。

──ふたりはライバルのような関係だったんですか?

そうだと思います。ふたりは同じクラスになることが多くて、クラス内オーディションで歌割りを決めるんですけど、いつもみんなの前で、どっちが大サビを歌うのかを発表されるような感じでした。ふたりとも、みんなの憧れの存在でしたね。

──そんな石野さんも、2012年の秋には「NEW HORIZON(スクールの歌)」に選抜されていますよね。

あれは幻です。あのときの記憶がないんですよ。あの時期はソロにも受かるし、よくわからない状態でした。本当になんで選ばれたのかわからなくて、理由を田中先生に聞きにいったんですけど、「理子が良かったから」とだけ言われて。そのときはただがむしゃらに練習をがんばって、うまく歌おうということばかり考えてたので、どこがよかったのか自分では消化しきれないままなんです。

──この特集では田中先生にもインタビューしていますが、先生との思い出はありますか?

私はとにかく歌がヘタだと言われ続けてきました。発表会に向けて、先生たちがユニットを選抜する「P企画オーディション」というのがあるんですけど、本当にうまい人ばかりの4人組に選ばれたときは、リハーサルのときからもうずっと歌がヘタと言われ続けて、落ち込みましたね…。

──マリアルをやっていたのもその頃ですよね。

そうです。マリアルは自分たちで組んだユニットでした。最初に(段原)瑠々がみんなを誘ってはじまったんですけど、1回目の発表会オーディションから合格できて、それから2回、3回と受かったので、びっくりしたし、うれしかったです。

地元広島のファンに支えられて

──ASH出身者の共通点をあげるとしたら、なんだとおもいますか?

ステージに立つ人としての意識が違う気がします。上を目指そうという思いが強いのかなって。

──ASHに通って良かったことをあげるとしたら?

ステージに立ってもこわくないというか、気持ちの切り換えができるようになったのは、スクールに行っていたおかげかなと思います。

──舞台に立つ機会も多いですしね。

そうですね。地元のイベントにもたまに出させていただいたりしたので。

──その当時からファンの方もいますか?

はい。いまアイドルネッサンスの活動をしていても、広島から来てくださる人もいらっしゃいます。地元の方が応援してくれるというのは本当にありがたいし、うれしいことだなと感じてます。

ピンク・レディーを歌い継ぐ ASH生え抜きの実力派アイドル 吉田亜衣奈インタビューに続く]


執筆=森野広明、中野 潤