『トロット』でも活躍するASHの実力者 住田愛子インタビュー(写真14枚)

世界に名だたる多くのアイドル&アーティストを輩出し続けている、アクターズスクール広島(ASH)。在校生の注目株にインタビュー。

ASHのトップユニットであるSPL∞ASHに所属し、生徒たちの憧れである「NEW HORIZON(スクールの歌)」の歌い出しも数多く担当してきた住田愛子。最近では日韓共同プロジェクトのオーディション番組『トロット・ガールズ・ジャパン』のファイナリストとしても知名度を高めている彼女に、ASHのこと、2024年3月20日に行われた「ACTOR’S SCHOOL HIROSHIMA 2024 SPRING ACT」のパフォーマンスのこと、そして「これから」について話を聞いた。(※2024年5月に取材)

[PROFILE]
住田愛子(すみだ・あいこ)
2007年9月21日生まれ。39期生。Dクラス所属。2022年6月より研修生としてSPL∞ASHに参加。同年12月に正規メンバーに昇格。イメージカラーは緑色。
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人の心を動かせる歌い手になりたい

──ASH入学の経緯を教えてください。

小学4年生のときに「歌手になりたい」という夢を持って、半年後ぐらいに勇気を出して両親に宣言したんです。そうしたら、お母さんがASHを探してきてくれました。

もともとダンスをするつもりはまったくなかったんですけど、ASHはボイスとダンスがセットだったのでチャレンジしてみたらすごく楽しくて、のめり込んでしまった結果がいまの感じです。

──「歌手になりたい」と思ったきっかけは?

歌手の絢香さんが大好きで、絢香さんの歌に何度も救われたんです。だから私も、絢香さんのように、人の心を救うとまではいかなくても、パフォーマンスを見てくださった方の心を1ミリでも動かせるような歌い手になりたいと思いました。

──ダンスはASHに入ってからなんですね。

はい。もともと運動音痴で、いまもダンス以外の運動はぜんぜんできないんですけど、最初は手と足が一緒に出ちゃうみたいな感じでした。

ダンスがうまくなりたいと思って、個人のレッスンを申し込んだんですが、担当のHANACO先生のおかげでダンスの楽しさを知って、それからはダンスにも力を入れるようになりました。

──今年の3月20日に開催された「ACTOR’S SCHOOL HIROSHIMA 2024 SPRING ACT」はいかがでしたか?

外部のオーディションに参加してたので、ほかの生徒よりも練習時間が短かったんですけど、そのぶん終わったときの達成感がありました。いろんな意味で、すごく思い出に残る発表会になったなと思います。

一曲一曲に思い入れがあって難しいんですけど、Cen4er*というユニットで歌ったAimerさんの「STAND-ALONE」は、みんなでこだわってダンスの構成を作りました。

Cen4er*

そうなんです。(松本)流歌が中心になって振りつけの構成を考えてくれたんですけど、自分で言うのもなんですがすごくレベルの高い作品ができたなと思います。

──Cen4er*には、住田さんと同じDクラスの松本さん、竹本愛梨さんとともに、ASH-Wの宅明美咲さんも参加していました。どういう経緯でこの4人になったのでしょうか?

みいちゃん(宅明)は、ASH卒業生でASH-Wとしてカムバックされた方なんですよね。私が入学したころにはすでに卒業されてたんですが、昔の映像を見て、すごく歌がお上手な先輩だと知ってたので、カムバックされたときにすぐあいさつに行ったんです。ありがたいことに、それ以来すごくかわいがってくださって、流歌と「レベルが高いものを作りたいよね」と話していたので、私からユニットにお誘いしました。

──ほかにも、柳本愛さんとふたりのユニットで、ケイティ・ペリーの「Roar」を歌っていましたね。

住田愛子と柳本愛

前回の発表会でもふたりで組んだんですが、半年前から愛に「愛子とこの曲をやりたい」と言われていたんです。聴いてみたらめっちゃかっこいい曲で、私も「この曲は愛とじゃないと完成できないな」と思ったので、満場一致でこれをやろうということになりました。

──柳本さんとは同じSPL∞ASHメンバーでもありますが、住田さんにとってどんな存在ですか?

愛に限らず、SPL∞ASHのメンバーみんなそうなんですけど、ライバルであり、心の支えでもあります。もちろんパフォーマンスでも尊敬しているんですけど、愛はとにかく性格がいいんですよ。だから「学校の勉強教えて」みたいな日常的な相談もしていますし、ひとりの人間として大好きです。

「せっかくだから昭和歌謡を歌っちゃいなよ」と言われて

──ご自身のソロでは「かもめが翔んだ日」を歌いましたが、どのように選曲をしましたか?

選曲をしたのが、ちょうど『トロット・ガールズ・ジャパン』というオーディションに参加していた時期だったので、ボイスの先生に「せっかくだから昭和歌謡を歌っちゃいなよ」と言われて、自分が好きな昭和歌謡を選びました。小学生ぐらいのころから、カラオケで十八番(おはこ)だったんです。

住田愛子

──『トロット・ガールズ・ジャパン』でも、ずっと昭和歌謡を歌っていましたよね。住田さんが歌う「ギンギラギンにさりげなく」のYouTube公式動画は400万再生(※取材当時)に届きそうな勢いです。

たくさんの方に見ていただけて、本当に幸せです。自分の知らないうちにすごいことになっていて、自分が一番ついていけてない状態なんですけど。

──そして、SPL∞ASH卒業生が大集合した「SPL∞ASH同窓会」にも現役メンバーとして参加しました。在籍時期のかぶっていない先輩とも一緒にパフォーマンスをしましたが、どうでしたか?

ド緊張でした! リハーサルのときから、話しかけに行けないぐらいカチコチで。でも、みなさんすごく優しくて…あとは、すごくいい匂いがしました!

──永尾梨央さん(現・可憐なアイボリー)の世代までは、当時も一緒にやっていた感じですか?

スクールではかぶってたんですけど、SPL∞ASHで一緒にはなっていないんです。でも、永尾さんは私がスクール生で一番尊敬してる、大好きな先輩です!

──どんなところが好きなんですか?

それを話しはじめると1時間ぐらいかかりそうです…。パフォーマンスは言うまでもなく大好きなんですけど、誰もいないところでもちゃんと「いただきます」と言ってご飯を食べてたり、すれ違う方にも、絶対に45度のお辞儀をされるんですよ。それは同じスクールに通ってたからこそ見られる一面だと思うので、そういった人柄にも惚れ込んでます!

住田愛子と永尾梨央

──発表会のときに同じユニットをやった経験はありますか?

2回やらせていただきました。当時のSPL∞ASHメンバーは、私にとって本当に雲の上の存在で、一方的に私が好きでいただけだったんですが、「好き」の気持ちがどうしても抑えきれなくなってしまって、X(旧Twitter)で「おこがましいお願いなのですが、ユニットを一緒に組ませていただけないでしょうか」とお願いのDMを送ったんです。そうしたら「私も愛子ちゃんとやってみたいと思ってた」って、すごくうれしいお返事をいただけて、それで梨央ちゃんと、 (川谷)輝空くんと私の3人で「WINDING ROAD」(絢香×コブクロ)を歌ったのが初めてだったと思います。

ASHのトップユニット・SPL∞ASHへの思い

──住田さんご自身がSPL∞ASHに加入することが決まったときは、どんな気持ちでしたか?

学校終わりに通知が来てたんですが、「ASH事務局から連絡が来てるということは…」って。いったんスマホを置いてお母さんと10分ぐらい「やばい、やばい」って心を落ち着かせて、いざ「合格」という文字を見たときは、実際に跳ね上がりました。もう、うれしい以外の感情はありませんでしたね。でも、受かるとは思ってなかったので、最初は実感がぜんぜん湧かなかったです。

──ステージを重ねるうちに実感が出てきた?

SPL∞ASH 10期生としてお披露目のステージに立ったときに、「私はもうSPL∞ASHなんだから、自覚を持って活動しないといけない」って、唐突にドンって思ったんです。研修生の期間は振りつけを覚えるのが大変でしたが、まずは先輩に追いつかなきゃという気持ちで、死に物狂いにやってました。

住田愛子

──SPL∞ASHに加入してから変化はありましたか?

すごく充実しています。SPL∞ASHは「サンフレッチェ・レディース」も務めさせてもらっているので、練習量も多いんですけど、実力のあるメンバーしかいないので、日々の練習でみんなどんどんうまくなっていくんですよ。いい意味で、お互いに高め合えてるなって感じてます。

──今回の発表会でSPL∞ASHメンバーでもあった佐竹田珠弓さんがスクールを卒業しました。ステージ裏では涙を流すシーンも多かったですね。

いまでも普通に寂しいです。でもお別れというわけではないですし、おばあちゃんになってもずっと仲良くしようねって言ってます。

やっぱり、仲がいいメンバーの卒業は心にくるものがあります。今回、珠弓があいさつで「大好きなスプラのメンバーと一緒に活動できて…」みたいなことを言ったんですけど、それを聞いて舞台裏でドバっと泣いてしまって、そのあとの歌がボロボロになってしまったんですけど…。そのあとの早着替えでも号泣して、ハグしてまた号泣して、みたいな。もうずっと泣いてました。

終演後の舞台裏

──そんななかでも「NEW HORIZON(スクールの歌)」の出だしを見事に歌いきりました。初めてこのパートを歌ったのはいつだったか覚えていますか。

中学2年生だった思います。選んでいただいたときは「よっしゃ!」という感じだったんですけど、そのとき担当の先生に「そのパートを歌う人はASHの歌としての顔。そう思って任せているからがんばってね」と言われて、ものすごくプレッシャーも感じました。

初めて歌い出しをやったとき、声が裏返ってしまったのがいまもすごくくやしい思い出です。その翌年に歌い出しを外されてしまったこともあって、いまもそのパートの責任の重さをすごく感じながら歌わせてもらってます。

住田愛子

──やはり、そこは甘くないんですね。

そうですね。スクール生といえど妥協の許されない環境で、成長をさせていただいてるので感謝してます。

──ASHで学んで、役立っていると感じているところは?

パフォーマンスの成長はもちろんなんですけど、礼儀を教えていただけたことは大きいかなと思います。社会に出るために必要な礼儀もですし、発表会に向けた定期的なスクール内オーディションで、オーディションに出るときの礼儀も身につけられるので、こんなスクールはほかにないんじゃないかと思います。

──外部のオーディションに参加するときに、それを実感しますか?

そうですね。私は“緊張しい”なんですけど、ASHで場数を踏ませていただけてるおかげで、人前に立つ前までは緊張するんですけど、立ってしまったら全部吹き飛んで無我夢中でやれてるのは、スクールのおかげだなと思います。

──これまで先生にかけられた言葉で、印象に残っているものはありますか?

小学校中学年くらいのときに、HANACO先生に「最近、パフォーマンスがマンネリ化してるよ」「新しい愛子の一面が見たい」と言われたんです。それまでは、ずっとバラードに力を入れてたんですけど、それからはバラードだけでなく、ジャズやかわいい曲、アップテンポな曲やダンス曲も全部歌えるようになりたいと思って、いろんな曲に挑戦するようになりました。そのひと言は私にとってターニングポイントになったと思います。

──小学生相手でも、そこまではっきり言ってくれるのはありがたいですよね。

遠慮せずズバズバ言ってくださる先生なんですよね。ふふふ。でも、そこに愛を感じるんですよ。ASHの先生方は、生徒を成長させたいと本当に思ってくださってるんだろうなって、すごく感じます。

“オールマイティ”を目指して

歌手になりたいと思った小学4年生のころから、「心を動かすパフォーマンスをしたい」という信念は変わってなくて。それに向けて、いま上手な方たちに囲まれ、すごくいい環境でがんばれていると思います。なので、その環境や出会った人たちへの感謝と初心を忘れずに、これからもずっと自分磨きをがんばっていきたいです。

2023年の春の発表会で歌ったMISIAさんの「逢いたくていま」が、すごく思い出に残ってます。過去イチぐらいに練習をしたんですけど、その練習期間に、もう亡くなってしまった飼い猫が夢に出てきたので、その猫への想いを込めて歌いました。縁があって、韓国でも歌わせていただくことができた楽曲なので、個人的にこれからも大事にしていきたいと思ってます。

そうですね。オールマイティにがんばれる住田愛子であったらうれしいなと思ってます!

ありがとうございます。「VALENTI」(BoA)のようなダンス曲もやらせていただきました。その経験を通して、オールマイティにがんばりたいという気持ちがよりいっそう強くなりました。

スクールや先輩方への感謝はもちろんですが、いまこうやってやりたいことをやらせてもらえてるのは、本当に家族のおかげだと思ってるので、これからもその感謝と謙虚さを忘れずに、貪欲にがんばっていきたいです。


撮影=石垣星児
執筆=森野広明
編集協力=木田祐介
編集=中野 潤

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