アクターズスクール広島(以下、ASH)からの「ラストアイドル」(テレビ朝日)へのふたりめの挑戦者となった米田みいな。
ASH歴9年、SPL∞ASHにも籍を置いたバリバリのアクタっ子は、いま新たなるステージへと足を踏み出した。
ただ歌うのではなく、楽しそうに
米田みいな(よねだ・みいな)
2001年9月11日生まれ。21期生。2016年1月からASH内のアイドルユニット「SPL∞ASH」に加入。2018年10月6日に、ASHとSPL∞ASHを卒業。現在は、ラストアイドル2期生アンダーメンバーとして活動中。
公式Twitter:https://twitter.com/miina_li2u
──当HPの企画がLoGiRL(テレビ朝日が2015年〜2017年まで運営していたガールズコンテンツ情報サイト)に連載されていたときに「注目の現役生」としてインタビューさせていただきましたが、反響はありましたか?
はい。見てくださった方も多くて「みいなのことが知れた」ってみんな喜んでくれました。そのあと、SPL∞ASHのメンバーとしてグラビアに出させていただいたときも、たくさんのファンの方が見たよと言ってくれました。
──改めて、ASHに入ったきっかけから教えてください。
最初はアイドルとかには興味がなかったんですけど、友だちがダンスを習いはじめたときに、私もやりたくなっていろんなスクールを探して、ASHに入りました。それが小2か小3くらいのときです。
──最初からアイドルになりたかったわけではないんですね。
ダンスがやりたかったのと、すごく緊張するタイプだったので、それを直すために入ったんです。習いごとという感覚だったので、イヤイヤになった時期もあります。でも、同じ時期に先輩としてASHにいらっしゃった鞘師里保さんがモーニング娘。さんに加入して活躍されたのを見て、そこから本格的にアイドルを目指すようになりました。
──本格的に目指すにあたって、具体的にどこを伸ばそうと考えましたか?
歌を集中的にやろうと思いました。バラードの曲を歌うことが多かったので、特にビブラートを意識して練習してるうちに(ASHの発表会での)ソロパートもいただけるようになったので、うれしかったです。先生たちからは「ただ歌うのではなく、もっと表現を入れたり、楽しそうに歌いなさい」と言われてたので、表現力も上達させようとがんばってました。
──表現力向上のために、具体的になにをしましたか?
MISIAさんや、安室奈美恵さんなどのアーティストさんたちのライブ映像をたくさん見ました。みなさん、本当に楽しそうに歌ってるんです。あとはASHの先輩方のソロステージを見て、勉強してました。
後輩が上がったときにすごく悔しくて
──ASH在籍中は2016年の1月からSPL∞ASHとしても活動していますよね。
はい。スクール内のオーディションを受けて、私と中村(葵生)と泉(舞衣子)の3人が加入しました。SPL∞ASHはスクールの代表ユニットでもあるし、あこがれの先輩たちが所属してるあこがれのグループでした。あとは、SPL∞ASHに入ればたくさんステージに上がれるので、”緊張しい”なところも直せるかなと思ったんです。
──そんなに緊張するんですか?
すごいんですよ。いまでもぜんぜん直ってなくて。ひとりカラオケは大好きなんですけど、人前で歌うのが苦手なんです。
──ASH時代を振り返って、つらかったことはありますか?
長く通ってると後輩もどんどん入ってくるんですけど、その後輩が先にデビューしていくのを見るのはつらかったですね。仲のいい今村美月ちゃんが2017年にSTU48に入ったとき、ほかにも4〜5人が一気に行ったんですけど、そのときは「自分、やばいな」って思いました。
──やはりSTU48ができたことは大きかったですか?
大きかったと思います。地元にいながら活動できますし、ASHから受けた人も多かったと思います。
──レッスンでは苦労しなかったですか?
大変でした。最初のころは歌もダンスもできなかったので、ユニットも受からなかったし(先生たちが選抜する)P企画にも入れませんでした。成長するにつれて、少しずつユニットやP企画も入ってきて、土日の両方ともレッスンが入るようになったのはうれしかったです。クラスレッスンだけだと週1で、ユニットやP企画のレッスンが入ると週2なんです。SPL∞ASHのレッスンは、平日に集まってやってました。
──アイドルを本格的に目指すようになって、意識は変わりましたか?
それまでずっとBクラスやCクラスにいたんですけど、後輩がDクラスに上がったときにすごく悔しくて、Dクラスに上がることを目標にしました。Dクラスは(ASHの中では)トップなので、そこに入ってから意識が変わったと思います。発表会に出るときも、Dクラスとしてレベルアップした姿を見せられるようにならないといけないなとがんばってました。
チャンスがあるのに、ここで捨てたら意味がない
──2018年6月9日放送の「ラストアイドル(サードシーズン)」に、挑戦者として参加しました。挑戦の理由を教えてください。
「ラストアイドル」のオーディションがあることは知ってたんですけど、私は挑戦ごとというか、戦いが苦手だったので受けてなかったんです。でも、ファーストシーズンに後輩の山本愛梨さんが出てるのを見たときに、悔しいなと思って、自分も受けてみようと思いました。
──その悔しさについて、聞かせてください。
自分は8〜9年レッスンを受けながら、いろんなオーディションで落ちてきたけど、山本愛梨さんはASHに入ってすぐにラストアイドルに参加したじゃないですか。すごいなと思う反面、正直悔しいという感情がありました。
──山本愛梨さんは、できたばかりの福山校に入ったのでほとんど交流はなかったんじゃないですか?
そうですね。発表会のときにあいさつをするくらいでした。
──「ラストアイドル」にはASHからふたり目の挑戦者となりましたが、バトルを振り返っていかがですか?
泣くはずないと思ってたんですけど、やばいくらいに緊張して、歌う前にものすごく泣いてしまって。カメラも回ってたので、ディレクターさんから「落ち着いて」って言われたんですけど、それでもずっと泣いてて。このまま歌ったら最悪だなと思って、気持ちを入れ替えて精いっぱい歌ったんですけど、たぶんボロボロでした。
──そのときのVTRを見ることはありますか?
一回しか見てないんです。見たくなくて…。
──敗戦後、ラストアイドル2期生アンダーとして加入することになりましたが、すぐに決断できましたか?
即決でした。せっかくチャンスがあるのに、ここで捨てたら意味がないと思ったので。
──不安はなかったですか?
それはやっぱりありました。セカンドユニットではなく、アンダーだったので「アンダーか…」とは思ったんですけど、でも負けてしまったわけだし、そこから上がっていくしかないんだから、やろうと思いました。
「こわい」って言われることが多いんですけど
──現在の活動をはじめて、新たに学んでいることはありますか?
このあいだレッスンをしたときに思ったんですけど、ASHだったらみんな経験者なので、先生が踊ったのを見ればすぐにわかるんですけど、アンダーのレッスンでは、経験者と未経験者の差が大きいので、みんなで協力して手伝いながらレッスンをすることを学びました。
ASHのときは、それぞれがひとりで覚える感じだったんですけど、いまはみんなでひとつの作品を作るような感覚があります。これからのことはまだぜんぜんわからないですけど、アンダーとしてみんなでなにかやりたいという気持ちもありますし、上に行きたいという気持ちもやっぱりあります。
──いま活動をしていて、ASHで学んで役に立っていることはありますか?
ASHではあいさつをすごく教えられたので、意識しなくても自然とできるようになったかなと思います。
──ラストアイドルのみなさんは、SHOWROOMの個人配信もされていますよね。
まさか自分がやることになるとは思ってませんでした。オーディションでもSHOWROOMがあるものは避けてたくらいなので、不思議な感じです。でも、SPL∞ASHで一緒だった山本杏奈さん(現=LOVE)とか、卒業した先輩方がやってるのをよく見てたので、こんな感じかなと思いながら、がんばってます。
──SHOWROOMでは緊張しないのですか?
めちゃくちゃ素でやれてるんですよ。もともとすごい人見知りで、まだメンバーでも仲良くなれてない子もいるくらいなんですけど、SHOWROOMでは本当の自分がかなり出せてるので、ぜひ見てもらいたいです。
──ふだんはなかなか素が出せないんですか?
そうなんです。第一印象で「こわい」って言われることが多いんですよ。仲良くなったら「そんな子じゃなかったんだね」ってなるんですけど、私としては「元からそんな子じゃないよ」って感じなんですけど。ふふふ。
──アンダーで一緒にやっている首藤百慧さんもASH出身ですね。
でも、スクールではそんなに関わったことなかったんです。いまは東京に行くときも一緒だし、ホテルも同じ部屋なので、すごく仲いいです。最初は「ぶりっ子なのかな?」と思ってたんですけど、中身はいろいろ似てて、気が合うなって思います。
ASHの看板を背負ってる
──仲がいいといえば、反田葉月さん(ASH23期生。元「palet」現「なんきんペッパー」)とは、かなり親しいそうですね。
はい。昨日…というか、今日も会ってました。家でぐうたらしたり、買い物したり、しょっちゅう遊んでます。
──反田さんがいまの事務所に原宿でスカウトされたときも一緒にいたとか。
そうなんです。一緒に名刺をもらって。お互い、同じ夢に向かってがんばってたので、これからどうしていこうかみたいな話は、よくしてましたね。
──いまの自分にとって、課題はなんだと思いますか?
笑顔ですね。顔がぜんぜん動かなくて、苦笑いか愛想笑いになっちゃうんです。昔からそうなんですけど、楽しいときでもほほえむくらいなんですよね。笑顔が苦手なのはアイドルとしてダメなので…そこは、がんばらないといけないなと思ってます。
──ASH時代には、先生に指摘されたりもしましたか?
「パフォーマンス中に表情を動かしなさい」とよく言われてました。表情が動かないなら曲に乗せて口を動かせば、少しは顔が動いてるように見える、というふうにも教えてもらいました。いまでもたまにスクールに行って、アドバイスをもらうこともあります。
──米田さんと一緒にASHでがんばっていた人たちも、いろんなところで活躍されていますよね。
はい。私もみんなに追いついて、いつかは(今村美月の所属する)STU48さんや(山本杏奈の所属する)=LOVEさんと同じステージに立ちたいです。
──意識もしていますか?
そうですね。でも、まだぜんぜん同じ場所に立ってるとは思ってないので、参考にしてるという感じです。そういう話は本人には言わないけど、あかり(STU48ドラフト3期の由良朱合)には、相談することもあります。みんなSPL∞ASHで一緒にやってた仲間なので。
──自分がASH出身という意識も強いのでしょうか?
そうですね。一応、看板を背負ってるとは思ってて。やっぱりパフォーマンスの面では負けられないので、そこはがんばりたいです。
──いまのASHを見て思うことはありますか?
私が知らない子が多くなりました。だから、ちょっとさみしい気持ちもあるんですけど、私はずっとASHの卒業生なのでこれからも応援していきたいし、みんなに「米田すげー!」と言ってもらえるようにがんばります。
撮影=石垣星児
執筆=森野広明