アクターズスクール広島(ASH)では毎年2回、春と秋に発表会を行っている。
スクール生にとって、日ごろのレッスンの成果を発表する貴重な機会であり、全国から足を運ぶスカウトなどの目に留まるチャンスの場でもある。
2019年9月23日に開催された「ACTOR’S SCHOOL HIROSHIMA 2019 AUTUMN ACT」でも、約100名の生徒がステージに立ち、40の演目が披露された。
ここでは、そのフォトレポート後編をお届けする。
年齢を感じさせない、力強さとしなやかさ

発表会後半では、オーディションを勝ち抜いたユニットやソロが続々と登場。
テレビ朝日の音楽番組「musicるTV」とも連動するイベント「愛踊祭2019」に出場したBLACK † ROSEや、審査員特別賞を獲得した双子ユニットのmofmof。スクール内ユニットのSPL∞ASHや、その妹的グループであるpeonyやMAX♡GIRLS。それぞれが息の合ったハイレベルなパフォーマンスで客席を魅了した。
スクール歴の長い高竹香夢は、映画「グレイテスト・ショーマン」のテーマ曲「This Is Me」を全編英語で歌唱。ステージでの堂々たる姿はもちろん、年少組のパフォーマンスでもともにステージに立ち、まだ幼いスクール生たちを優しくサポートする姿も印象的だった。

アニソンシンガーが夢と語る永尾梨央は「Sincerely」(TRUE)を、革命少女としても活躍した桑原彩菜は「だいすき。」(井上苑子)などをそれぞれ披露し、確かな表現力を見せた。中でも目を引いたのが、小学3年生の献上聖奈。不器用ながらも強く愛する恋心を歌った「Happiness」(シェネル)を選曲し、まだ10歳に満たない少女とは思えぬ力強さと、しなやかな歌声を響かせた。
「本日をもちまして、ASHを卒業します」

そして終盤、発表会では恒例の「NEW HORIZON(スクールの歌)」。
スクールのオリジナルソングであり、出だしのパートは代々選ばれたメンバーだけが歌えるという、第1回目の発表会から受け継がれてきた伝統ある曲。
この日登場したメンバーの中には、戸高美湖の姿もあった。革命少女として活躍し、今年の春に、さくら学院のメンバーとなった。
全生徒がステージに登場し、フィナーレを迎えたところで、戸高によるあいさつが行われた。
「ご承知の方もいると思いますが、私はアミューズに所属することになり、5月から“成長期限定ユニット”さくら学院のメンバーとして活動しています。
改めて、みなさんに報告できる場を作っていただき、本当にありがとうございます。
スクールでは約3年間、貴重な経験をたくさんさせていただきました。
ひとつの目標に向かって努力する大切さを学び、大きな夢を持つことができました。
私は海外でも活躍できるアーティストを目指して、チャレンジしていきます。
スクールでの活動は、私の一生の思い出です。
スクールで学んだ集中力と表現力を生かして、感謝を忘れず、これからも夢に向かって成長していきます。
私は本日をもちまして、ASHを卒業します。
いままでたくさんの応援、ありがとうございました」
スクール生の新しい門出という祝祭的なムードのなか、大きな拍手に包まれながら、発表会は終演した。
偉大な先輩たちを目標に
終演後の舞台裏、革命少女としてともに活動したメンバーが集い、戸高を囲んでいた。

ステージ上ですでに大粒の涙を流してしまっていた中嶋朝香だけでなく、清水紗良や桑原彩菜、先生たちも加わり最後の記念撮影。
スクールを飛び出し、次の一歩を踏み出した戸高美湖だけでなく、ほかの生徒たちにもきっと明るい未来が待っているはずだ。
偉大な先輩たちを追いかけるようにレッスンに励む彼女たちは、今後どんな活躍を見せてくれるだろうか。
[次の記事]戸高美湖(さくら学院 中等部1年)インタビュー ASHラストステージを終えて
撮影=石垣星児
執筆=田島太陽