「ラストアイドル」が擁する、3人目のアクターズスクール広島(以下、ASH)出身者は、サードシーズン18人目の挑戦者となった首藤百慧。
ASH在籍は短いながらも、多くのアイドルオーディション経験を持つ彼女に、これまでの歩みを振り返ってもらった。
Team8のオーディションを受けたとき、ASHはすごいなって
首藤百慧(すとう・もえ)
2002年2月28日生まれ。38期生。現在は、ラストアイドル2期生アンダーメンバーとして活動中。
公式Twitter:https://twitter.com/moe_li2u
──アイドルを目指したきっかけを教えてください。
中3の冬に、STU48さんの最初のオーディションが開催されたんですけど、お姉ちゃんに「受けてみれば?」と言われて、興味本意で受けたんです。二次審査で落ちたのが悔しくて、いろんなオーディションを受けるようになりました。
──当時はどこかの芸能スクールに通っていたんですか?
スクールに入るっていう考えは持ってなくて、ふつうに応募して。アイドルのオーディションは、たくさん受けました。STU48さんのあとに、けやき坂46さんの2期生、AKB48グループさんのドラフト3期生、AKB48さんのTeam8…全部で8つくらい受けてます。
──すごいですね。
ぜんぶ二次審査までは行くんですよ。でも、受かった人たちを見ると、みんなスタイルが良くて…。そこからダイエットをして、18キロ落としました。
──それだけ落とすのって、かなり大変ですよね。
小1から中3までずっとバレーボールをやってたんですけど、当時は、部活のあとにはお菓子やジュースっていう生活で…それをやめただけで、やせられました。
──ASHに入ったのはいつですか?
高1のときなので、まだ1年前くらいですね。だから、ASHには10ヶ月くらいしかいなくて。
──なぜ入ろうと思ったんですか?
Team8のオーディションを受けたときに、ASHの人が3人くらいいて、ダンスをぜんぜん覚えられない自分とは違って、みんなすぐに覚えてたので、すごいなと思って。これは入らないといけないなと思いました。
──それまで、ASHの存在は知っていましたか?
CMを見たことはあったんですけど、詳しいことはわかりませんでした。お母さんに入りたいって相談したら、すぐにいいよと言ってくれました。
──入ってみていかがでしたか?
ちょうど英検を受ける時期と重なってしまったので、途中からFクラスに入ったんですよ。すでにみんなが仲良くなってるところに参加したので、最初はめっちゃ緊張してました。
でも、同じ学校の子がひとりいたのと、Team8のオーディションを受けたときに一緒だった子がたまたまFクラスにいたので良かったです。
自然と笑えるようになった
──最初のレッスンは覚えていますか?
ちゃんとしたレッスンを受けるのははじめてだったんですけど、もう発表会の練習がはじまってて「あ、ついていけんわ」みたいな感じでした。
──発表会には何回出たんですか?
ユニットはぜんぶ落ちてしまって、FクラスとCクラスでの2回です。本番では、みんながダンスや歌を間違えなかったので、そのときの達成感はすごくありました。
──成長した実感はありましたか?
前にオーディションを受けてたときは表情が固かったんですけど、自然と笑えるようになったと思います。
──苦労したことはありますか?
笑顔を作りすぎて、逆にかっこいい表情ができないんです。ずっとニヤニヤしてたので「表情担当」の人にいつも注意されてました。クラス内で、ダンスリーダー、歌のリーダー、笑顔のリーダーを決めてたんですけど、チェックのときにひとりだけにやけちゃって。なんか無理なんですよね。つい笑ってしまって。
──発表会は会場も大きいですが、ステージに立った感想を教えてください。
すごく楽しかったです。いままでそんな経験はなかったので、ちょっとだけ緊張したんですけど、壇上では、ライトでお客さんの顔がそんなに見えなかったので、ふつうに自分らしくやれたと思います。
──ASHに入って良かったと思うことはなんですか?
動き方のコツみたいなことがわかったので、ダンスを覚えるのが早くなりました。
覚悟はちょっとしてました
──いまの活動では、主にどんなレッスンをしているんですか?
スクール時代だと、1日のレッスンのうちダンスはちょっとだけだったんですけど、このあいだのお披露目は1日で振りを付けてもらって、ぜんぶ覚えたんです。3日後くらいがお披露目だったんで、なんとかついていけたのはASHに入ってたからだろうなって、すごく思いました。
──1日で覚えてなければいけないと聞いて、おどろきませんでしたか?
いえ、思ってたとおりというか、48グループさんのSNSとかを見てるとそういうことがけっこう書いてあるので、本当にこんな感じなのかぁって。覚悟はちょっとしてました。ふふふ。
──アイドルのSNSもけっこうチェックしてるんですね。
はい。48グループさんがすごく好きで、特にASHの卒業生でもある、STU48の今村美月さんが大好きです。
──今村さんがSPL∞ASHにいた時代も見ていましたか?
知らなかったんです。基本的に48グループしか見てなくて、ずっと48グループに入りたいと思ってたので。SPL∞ASHも、MAX♡GIRLSも、自分がASHに入ってから知ったんですけど、すごいなと思ってYouTubeで動画をたくさん見ました。
──今村さんに会ったことはあるんですか?
STU48さんが「ひろしまフードフェスティバル2018」に出演されたとき、追っかけをしてたら気づかれました。私がラストアイドルに出たのを、今村さんも知っててくれて、目の前でポカーンとしてたら話しかけてくれたんです。「大丈夫?」って聞かれて「大丈夫です」っていうやりとりを、3回くらい繰り返しました。
自分もめっちゃ笑いたいなと思って
──ラストアイドルに挑戦した理由を教えてください。
米田(みいな)が出るって聞いたときに、スクールでラストアイドルの説明会があったんですよ。あまり詳しくはわかってなかったんですけど、家でお母さんと調べてみたら楽しそうだったので、受けてみようと思いました。
──番組は見ていなかったんですか?
米田の回からしか見てないんですよ。1期生さんに(山本)愛梨さんがいることは知ってたんですけど、そのくらいでした。
──首藤さんは、2018年9月9日放送回で佐々木一心さんに挑戦しましたが、HKT48の「キスは待つしかないのでしょうか?」を選曲した理由を教えてください。
「MUSIC STATION」(テレビ朝日)で見たときにめっちゃかわいいと思ったんですよね。松岡はなさんの笑顔がすごく好きなんですけど、どうせテレビに出るなら、自分もめっちゃ笑いたいなと思ってこの曲にしました。
──やってみて、手応えはありましたか?
負けてもいいから精いっぱいやろうとは思ってました。ジャッジは中森明夫さんだったんですけど、流れ的に中森明夫さんになるだろうと思って、ずっとガン見してたんですよ。でも、ジャッジの前から一心ちゃんのほうしか見てなくて、ぜんぜん目が合わなくて。そしたら本当に負けたというオチでした。ふふふ。
──ラストアイドルファミリーとして活動するなかで、どんなことを学んでいますか?
握手会をやったことがなかったので、こんな感じなのかぁって。握手会ってYouTubeでも動画がないじゃないですか。お客さん側でも行ったことがなかったので、Twitterで見つけた握手会のレポとかを参考にして、このあいだはじめての握手会をしました。
──やってみてどうでしたか?
楽しかったです。オーディションを受け出してから人見知りがなくなったので、お客さんともフランクに話せるし、お客さんもグイグイきてくださるので。ふふふ。
将来、広島で始球式がしたいんです
──いまの自分にとって、課題はなんだと思いますか?
いまのポジションは2列目なんですけど、そこから上に行きたいなと思ってます。ラストアイドルのバトルに挑戦したときは裏センターをねらってたんですけど、そのときとはちょっと気持ちが変わってて、いまは前に出たいなと思ってます。
──ASHのクラスメイトで連絡を取っている人はいますか?
3人くらいいます。元Fクラスの人たちで、お互いがんばろうねと言ってます。
──いまはアイドルを目指してASHに入る人が多いんですか?
歌手志望の方もいますけど、いま入ってきてる人はアイドル志望が多いと思います。まわりにもたくさんいました。
──先輩との交流はあまりなかったですか?
そうですね。米田(みいな)とはラストアイドルを受けてから話すようになりましたけど、それまではあまり話したこともなくて。いまはすごく仲良くなりました。
──最後に、これからの目標を教えてください。
将来、マツダスタジアムで(プロ野球公式戦の)始球式がしたいんです。まだラストアイドルでもASHでもやった人はいないんじゃないかと思うので、それを夢にがんばっていきたいです。
撮影=石垣星児
執筆=森野広明