ASHはアイドル養成機関ではない「2015 SPRING ACT」ライブレポート(後編)(写真47枚)

ASHはアイドル養成機関ではない「2015 SPRING ACT」ライブレポート(後編)
この記事は2015年6月12日に「LoGiRL」で公開されたものであり、内容は初出当時のものです。

世界に名だたる多くのアイドル&アーティストを輩出し続けている、アクターズスクール広島。
地方のいちスクールが、なぜこれだけ多くのスターを産み出すことができるのか。
謎に包まれた現代アイドル虎の穴が、いまそのヴェールを脱ぐ───

[前回の記事:「2015 SPRING ACT」ライブレポート前編(写真26枚)


ASH出身者が持つ強さの秘密

「2015 SPRING ACT」ライブの様子

ついに幕が開いた。

発表会は全43演目、上演時間はゆうに3時間を超えた。

クラスごとのステージのほかにもソロやユニットでの楽曲が披露されるが、みな校内でのオーディションを勝ち抜いて、その座をつかんでいる。
Fクラス(新人)の初々しさ、そしてDクラスの貫禄。
男女混成ユニットは可憐さと力強さが同居し、独特の色気を感じさせていた。
ソロでは、歌謡曲や洋楽のオールディーズと、その幅広い選曲におどろかされる。
次々に披露されるすべてのパフォーマンスに、みどころがあった。

ASHとは、決してアイドルを養成する機関ではない。

披露されるものはアイドル的な楽曲ばかりではなく、むしろアイドル的なものは少ないと言ってもいいかもしれない。
だが、スクール内ユニットであるSPL∞ASHや、その後発ユニットであるMAX♡GIRLSを見ればわかるだろう。
アイドルをやれば、とことんアイドルに徹することができるのだ。

ASHとは本物(プロ)を養成する機関だ。

人前に出てパフォーマンスをする──それが特別なことだということを、しっかりと教え込んでいる。
選ばれし者だけが舞台に立てるという、その厳しさを。

その事実を突きつけられてなお、戦いを挑む者ならばきっとどこへ出てもやっていけることだろう。
ASH出身者が持つ強さの秘密を少しだけのぞけた気がした。

“可能性は無限大さ!”

「2015 SPRING ACT」ライブの様子

発表会を締めくくる曲は、第1回目のときから変わらない「NEW HORIZON(スクールの歌)」。
これはスクールオリジナルの楽曲であり、曲の出だしは代々選ばれし4人が歌ってきた。受け継がれてきた伝統である。

終演後は、生徒たちにプレゼントを渡したり、写真撮影をするために、ロビーにファンが押し寄せる。
それを講師たちがあしらう。
これもまたASHの伝統的光景なのだが、この日は、なぜかロビーに出てくる生徒たちが一様に涙していた。
話を聞くと、仲間のひとりがスクールを去るという。

そんな別れが、生徒をまた強くしているのだろう。

さあ 今 目を閉じて
生まれたての太陽 受け止めよう
静かな 強い鼓動
感じたら それだけで 大丈夫

どうしても眠れない
そんな夜は 窓を開けてみよう

小さく悩んでた
自分を折り畳んで空へ 飛ばすんだ

涙の流れ星 溜息の月
必ず眩しい 朝が来るから

解き放って!ほら笑って!
誰にだって できるはず
どこまでも どこまでも
可能性は無限大さ!
人目なんて 気にしないで
失敗なんて 怖がらないで
思い切って 踏み出す勇気が
未来へつながる

「NEW HORIZON(スクールの歌)」より

「“あきらめない子”の筆頭がPerfumeだった」田中都和子(ヴォイストレーナー)インタビューに続く]


撮影=石垣星児
執筆=森野広明

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