これまで数多くのアーティストを世界に送り出してきたアクターズスクール広島(ASH)。その歴史の中で、新たな才能が誕生する瞬間は、いつの時代も特別な輝きを放つ。2026年2月23日、広島CLUB QUATTROで開催された「ASH DREAM STAGE supported by 個別指導Axis」は、まさにそんな物語の始まりを感じさせた。
2025年夏に実施されたスクール内オーディション企画でグランプリを受賞したDILAIII(ディラム)、特別賞を受賞した「いとこうし」を中心に、ASHの既存ユニットやソロメンバーが集結し、オリジナル曲を中心としたパフォーマンスを披露したこの日のライブ。
最大のトピックは、DILAIIIとMisakiのデビューだ。広島を代表するライブハウス・CLUB QUATTROで、新たな存在が産声を上げる。その節目を祝うように、SPL∞ASH、BLACK†ROSE、MAX♡GIRLS、篠原友美、ASH PEACE PROJECTのメンバーたちも、それぞれの持ち味をぶつけ合うパフォーマンスを披露し、ASHの“いま”と“これから”がひとつのステージに凝縮された公演となった。
ライブの幕開けを飾ったのは、アクターズスクール広島PR大使の「いとこうし」。前説MCで会場を和ませたあと、「小籠包ズ」として「許嫁っきゅん」(ano)を披露し、ポップで愛らしいパフォーマンスで会場を一気に温めた。

小籠包ズ
続いて登場したのは、福山校のトップチーム・BLACK†ROSE。メンバーの加藤葉月が体調不良で急きょ欠席となるアクシデントに見舞われながらも、3人でその穴を感じさせないステージを作り上げたのは見事だった。大人っぽいモノトーンの衣装に身を包み、オリジナル曲「Do you wanna dance?」、「Be Brave」では、クールで力強いパフォーマンスを展開。急なフォーメーション変更を感じさせないチームワークからは、これまで積み重ねてきた経験の厚みが伝わってきた。

BLACK†ROSE
そして、ライブの流れを引きしめた、ASH PEACE PROJECTのパート。広島から平和のメッセージを届けるという明確な想いのもと、「サンタと神様」「瓦礫に花は咲かない」「Mother Earth, Mother」「Hello, Thank you, Sorry, All right」が披露され、子供たちのまっすぐな歌声が、会場に静かな感動を広げていく。そこから伝わってくるのは一貫して、“歌うこと”の強さだ。特に、篠原友美が歌った「ノーモアノーウォー」は圧巻で、歌姫としての存在感をあらためて刻みつけた。

ASH PEACE PROJECT
続いて篠原が歌ったソロデビュー曲「Parade ススメ、ミライへ。」は、個別指導AxisのTVCMソングにも起用された、明るい未来を感じさせるポップな楽曲。どこか懐かしさのあるメロディに、雰囲気のある声質と力強い歌声がマッチしている。

篠原友美
MAX♡GIRLSも、この日の大きな見どころのひとつだった。小中学生世代ならではのフレッシュさを武器にしてきたユニットだが、この日はオリジナル曲「ミライノオト」「ドキドキを抱きしめて」を披露。コールや早口言葉といった遊び心を取り入れながら、年相応のアイドル性をまっすぐに打ち出したステージは実に魅力的。新曲を得たことでユニットの輪郭がより鮮明になり、「MAX♡GIRLSらしさ」がこれまで以上にわかりやすくなった印象もある。

MAX♡GIRLS
その一方で、ASHを代表するユニット・SPL∞ASHのパフォーマンスは、長年積み上げてきた経験の厚みを感じさせた。昨年末に加わった研修生を含む9人で登場した彼女たちは、「Hurricane」「Shine」「ココロのカタチ ~Call My Name~」を披露。ラップを取り入れた新曲「Hurricane」では、これまでにないスタイルにも挑戦し、ダイナミックなダンスで観客を圧倒した。ASHの代表ユニットとして積み上げてきた厚み。その上で、さらに新しい表現へ踏み出していることが伝わってくるパフォーマンスだった。

SPL∞ASH
この日のもうひとりの主役が、Misakiだ。32期生としてASHに通い、一度スクールを離れたのち、ASH-Wの一員として戻ってきた彼女が、25歳でソロデビューを果たす。その歩み自体が、いまのASHの裾野の広さを象徴しているようでもある。
スパンコールドレスとシルバージャケットという大人びた装いで登場したMisaki。デビュー曲「男と女はJAZZ」では、濃厚なJAZZ歌謡の世界を堂々と歌い上げ、「運命と偶然」ではソウルフルで疾走感のあるボーカルを響かせた。

Misaki
クールなステージングとは打って変わって、MCでは「私がオリジナル曲をいただけるってすごくないですか? 夢にも思ってなくて」と率直な喜びを語ると、「ASH-Wクラスにももっと注目していただいて、一緒に盛り上げていただけたらうれしいです」と呼びかけた。
そしてトリを飾ったのが、この日デビューを迎えた3人組ダンス&ボーカルユニット・DILAIII。会場に特別映像が流れるなかステージに登場すると、デビュー曲の「Chasing Stars」とカップリング曲の「Still I Wonder」を披露。ヘッドセットマイクを用いて大きく体を使ったダイナミックなダンス、現代的なR&B感覚をまとったサウンド。ASHの歴史の中でも新鮮に映る要素が多く、3人のバランスやフォーメーションの美しさも相まって、デビュー直後とは思えない完成度を見せた。緊張のせいかリハーサルでは表情が固かったものの、いざ迎えた本番では3人とも心から楽しんでいたのが印象的だった。

DILAIII
「いまの気持ちは“楽しい!”のひと言しかないです」(MEISA)
「ふたりのおかげで緊張がほぐれて、いいステージになったかなと思います」(MIYABI)
「ふたりと目が合ったとき安心して、ふわっとなりました」(HINATSU)
もちろん初々しさもあったが、それすら魅力に変えてしまう圧倒的な華がそこにあった。さらに今後の目標として、HINATSUは「広島グリーンアリーナでワンマンライブをすること」と宣言。MEISAは「いろんなイベントに出てDILAIIIを知ってもらいたい」、MIYABIは「広島から全国へ、そして世界へ」と、それぞれの夢を語った。
アンコールでは、SPL∞ASHとDILAIIIを中心に、ASH劇場の新たなアンコール曲「ティアラ」を披露。MAX♡GIRLS、BLACK†ROSE、Misakiも加わり、最後は会場全体が大きなぬくもりに包まれた。小さな冠を意味するタイトルに込められた、“いまはまだ小さな存在でも、積み重ねの先で栄冠をつかむ”というメッセージは、この日のライブそのものを象徴していたように思う。

DILAIIIとMisakiのデビューは、新しい才能の誕生であると同時に、既存ユニットにとっても大きな刺激になったことだろう。MAX♡GIRLS、SPL∞ASH、BLACK†ROSE……それぞれの現在地が鮮やかに浮かび上がるステージになった。
3月29日(日)には、早くも次の発表会「アクターズスクール広島 2026 SPRING ACT Chasing Dreams~夢を追いかける~」が控えている。変化を受け入れながら新しい才能を育み続けるアクターズスクール広島。これからどんな未来が待っているか、ますます楽しみになる一日となった。
【SET LIST】
2026.2.23 広島CLUB QUATTRO
01 許嫁っきゅん/小籠包ズ
02 Do you wanna dance?/BLACK†ROSE
03 輝く私で/BLACK†ROSE
04 Be Brave/BLACK†ROSE
05 サンタと神様/ASH PEACE PROJECT(吉川咲良・坂田望綾・能美鈴花・宗像奏愛)
06 瓦礫に花は咲かない/岸田桃果
07 Mother Earth, Mother/松葉小暖
08 Hello, Thank you, Sorry, All right/ASH PEACE PROJECT
09 ノーモアノーウォー/篠原友美
10 Parade ススメ、ミライへ。/篠原友美
11 ミライノオト/MAX♡GIRLS
12 ドキドキを抱きしめて/MAX♡GIRLS
13 Hurricane/SPL∞ASH
14 Shine/SPL∞ASH
15 ココロのカタチ ~Call My Name~/SPL∞ASH
16 男と女はJAZZ/Misaki
17 運命と偶然/Misaki
18 Chasing Stars/DILAIII
19 Still I Wonder/DILAIII
ENCORE
20 ティアラ/ALL CAST
撮影=石垣星児
執筆=森野広明
編集=木田祐介





