培われた“育成力”が、新たな“才能”を生み続ける「2024 SPRING ACT」レポート後編(写真30枚)

時刻は16時30分。「ACTOR’S SCHOOL HIROSHIMA 2024 SPRING ACT」の幕が上がった。

オープニングは、ダンスパフォーマンスの実力者たちが選抜された「ダンスチーム」。きらびやかな衣装をまとい、軽快なステップで魅せていく。ドレスアップしたタクール小迫美衣南が、英語を交えながらショーの開幕を宣言した。

タクール小迫美衣南とダンスチーム

続く「MAX♡GIRLS」は、これまで多くの実力者を輩出してきた小中学生限定のASH内ユニット。新体制となる6人で「最強の推し!」(鈴木愛理)を、アイドル性抜群のキラキラ感を前面に押し出すパフォーマンスで披露した。

MAX♡GIRLS

発表会の大きな特徴は、クラスごとの演目のほかに、スクール内オーディションを勝ち抜けば、ソロやユニットでパフォーマンスができることにある。

クラス演目では、「キッズクラス」(4〜6歳)、「Fクラス」(新入生)、「Aクラス」(小学生中心)、「Bクラス」(中学生中心)、「Dクラス」(高校生中心)、大人の女性を対象にした「ASH-W」、さらに福山校の「FUKUYAMAクラス」が、それぞれ年齢や習熟度に合わせたステージを繰り広げていく。

FUKUYAMAクラスは、小学生から高校生までの幅広い年齢のメンバーで「Good Luck」(AOA)と「世界に一つだけの花」(SMAP)の2曲を披露。年齢やキャリアの差を感じさせない、ワンチームとしての絆を感じさせた。

FUKUYAMAクラス

ASH-Wは「New Day」(INI)に挑戦。ボーイズグループの楽曲ということもあり、スーツをラフに着こなしながらダイナミックなダンスパフォーマンスで魅了した。福山校の開校が2017年、ASH-Wが2019年開設と、どちらも比較的新しいクラスだが、それらの施策がしっかりと実を結び、発表会に新しい価値を加えていた。

ASH-W

ユニットオーディションの合格者は、当然ながら実力者ぞろい。住田愛子と柳本愛によるユニット「Cherish」は、「Roar」(ケイティ・ペリー)で英語詞に挑み、圧巻のかけ合いで盛り上げる。

Cherish

実力者がそろった「愛死天流」が披露したのは、「STRAWBERRY サディスティック」(E-girls)。同曲が挿入歌として起用されたドラマ/映画「HiGH&LOW」になぞらえ、特攻服姿でクールに歌い踊った。バラエティに富んだ演出や構成もユニット曲の魅力だろう。

愛死天流

ソロでは、SPL∞ASHメンバーの松本流歌が初めてソロオーディションに合格し、「GLAMOROUS SKY」(中島美嘉)で力強い歌唱を披露。ダンスの印象が強い彼女が歌でも見せ場を勝ち取り、たゆまぬ努力が感じられた。

松本流歌

福山校の山口浬も、今回が初めてのソロ。透明感のある繊細なボーカルで「カタオモイ」(Aimer)を歌い上げた。個々の成長がより色濃く感じられるのが、ソロオーディションのおもしろいところだ。

山口浬

演劇コースの舞台を挟み、前半戦のトリを飾ったのは特別企画「SPL♾️ASH同窓会」。現役メンバーと卒業生が入り乱れ、ASHの25周年を豪華に彩った。

歴代SPL∞ASHメンバーが勢ぞろい

後半は、モデルコースのランウェイからはじまり、ふたたびクラス演目、ユニット、ソロと続いていく。

柳本愛が「あの鐘を鳴らすのはあなた」(和田アキ子)、西原悠桜が「母」(林明日香)、住田愛子が「かもめが翔んだ日」(渡辺真知子)と続いた、終盤戦の怒涛のソロ3連発は、“これがいまのASHです“といわんばかりの圧巻のパフォーマンスだ。

この日は、受験専念のため活動休止していたSPL♾️ASHの佐竹田珠弓が久々にステージに立った。大学進学を機に、この日でASHを卒業するという。

彼女を交えた「世界一の友人だったあなたへ」(ハコニワリリィ)は、Dクラスならではの質の高いパフォーマンスとともに、気持ちが歌詞に乗ったエモーショナルなものになった。

Dクラス

ラストを飾るのは、もちろん「NEW HORIZON(スクールの歌)」。切磋琢磨し合う仲間たちの涙と笑顔。すべての想いがその歌詞に込められている。

(左から)西原悠桜、篠原友美、住田愛子、宅明美咲

養成所という特性上、ASHの生徒は入れ替わりが多い。もちろんその中には才能を認められ、次のステップに進んでいく者もいる。だが、彼ら、彼女らが去っても、ASHからは常に次の新しい才能があふれ出してくる。それを支えるのはやはり25年という歴史の中で培われていった、スクールの育成力にほかならないだろう。

「ACTOR’S SCHOOL HIROSHIMA 2024 SPRING ACT」はこれで終演したが、秋の発表会に向けた生徒たちの日々は、もうこの瞬間からはじまっている。


撮影=石垣星児
執筆=森野広明
編集=中野 潤

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