2018年9月8日、東京ドームシティホールにて「愛踊祭(あいどるまつり)2018」の決勝戦が行われた。
アクターズスクール広島からは、この大会のために選抜された5人組ユニット「革命少女」が、中国・四国エリアのファイナリストとして出場。
ステージの様子をレポートする。
アイドルの甲子園
2015年から開催され、今年で4回目を迎えた「愛踊祭」。
日本全国のアイドルたちが、国民的アニメソングのカバーを歌とダンスパフォーマンスで競うコンテストであり、その熱戦ぶりは「アイドルの甲子園」とも称されている。
優勝の座を争うのは7、8月に開催された地区大会を勝ち抜いた9組と、敗者復活戦で選ばれた1組の計10組。
それぞれ課題曲の「ムーンライト伝説」と「ひょっこりひょうたん島」、さらに持ち歌の計3曲を披露した。
革命少女の出場順は8番目。
「ムーンライト伝説」では、“かっこかわいい”セーラー戦士。
「ひょっこりひょうたん島」ではセンターを務める清水紗良をきびしい船長に見立て、ポンコツ船員たちががんばるというストーリー仕立てのパフォーマンスを披露。途中、アクロバットのあとに、マイクが落下するアクシデントがあったが、取り乱すことなく堂々と踊りきる。
自己紹介をはさみ、最後はオリジナル楽曲の「Journey」。
大人になる不安と未来への希望をテーマに、等身大の彼女たちを描いたさわやかなポップソングであり、これから訪れるであろう5人の輝かしい未来を予感させる見事なステージだった。
パフォーマンスレベルが高まる愛踊祭
革命少女を擁するASHは甲子園でたとえるならば、伝統ある常連強豪校。
それぞれのスキルの高さはしっかり見せつけたものの、3年連続で出場していた先輩グループのSPL∞ASHが昨年度優勝をしていただけに、彼女たちを見る目はどうしてもきびしいものになっていた。
「ダンスも歌も、個々のクオリティは非常に高い。ただ、グループとして、というものがもう少し見えてくるとさらによくなると思う」
審査員席の小田原ODY友洋氏はそう講評した。
「この大会が終わったらこのグループはやめちゃうの?」
今大会のためにグループが結成されたことについて聞かれると、清水は「続けたいです」と力強く答えた。
出場するアイドルたちに複数年の連続出場組が増え、パフォーマンスの精度はどんどん上がっている。その結果、愛踊祭というコンテストも先鋭化しつつあるようにも感じられた。
スクールの外での悔しさと喜び
革命少女は、惜しくも賞を逃した。
だが、甲子園で球団スカウトたちが熱い視線を送るように、近年の愛踊祭は、多くのレコード会社の関係者が集まるショーケースのような側面が生まれている。
すべての賞が発表されたあと、北海道代表の「まばたき」と「革命少女」に対して、大手レコード会社6社から、それぞれメジャーデビューに向けた交渉の申し出があったことが発表されたのである。
スクールの外で、悔しさと喜びを経験した5人の少女たち。
革命は、まだはじまったばかりだ。
撮影=石垣星児
執筆=森野広明