世界に名だたる多くのアイドル&アーティストを輩出し続けている、アクターズスクール広島。
地方のいちスクールが、なぜこれだけ多くのスターを産み出すことができるのか。
謎に包まれた現代アイドル虎の穴が、いまそのヴェールを脱ぐ───
[前回の記事:「2015 SPRING ACT」リハーサルドキュメント後編(写真15枚)]
年齢問わず舞台に立てばプロ
2015年3月22日、日曜日。
「ACTOR’S SCHOOL HIROSHIMA 2015 SPRING ACT」。
春の穏やかな陽気に包まれた、新緑あふれる平和記念公園。この敷地内に、広島国際会議場フェニックスホールがある。
収容人数約1500名のこの立派なホールで、ASH発表会は行われる。
半年に一度の大舞台。
この2週間のうちに行われた通しリハーサルは7回にも及んだ。
生徒たちは朝の9時30分に集合して、最後のゲネプロに挑む。
もちろん、ゲネプロの場でも生徒たちは全力でパフォーマンスをする。
キッズクラスであろうが、舞台に立てばプロ。言い訳はできない。
そういう教えを受けているのであろう、実に堂々としていた。
開演時刻が近づき、慌ただしい本番前
ステージの構成は直前でも変わる。
この日も、続く2曲でテンションの差がありすぎると、急きょ、卒業生によるトークの時間がはさまれることになった。
舞台裏では、生徒たちがクラスごとの控え室に待機していて、自分の出番前になるとステージそでへと集まってくる。
出番の回数が多い生徒になれば、衣装替えのぶんだけ慌ただしい。
本番前の空気にみなそわそわ。妙な高揚感に包まれている。
緊張を隠すかのように、過剰にはしゃぎまわる子どもたちの姿もあった。
開演時刻が近づく。
子どもの夢を二人三脚で応援する生徒の家族の情熱、そして全国からやってきたスクールアイドルファンたちのエネルギーが混在する客席は、味わったことのない独特のムードを作り上げていた。
三脚をつけたビデオカメラがズラリ、ステージ上に照準を合わせている。
17時30分、いよいよ半年間の成果を披露するときがやってきた──。
[「2015 SPRING ACT」ライブレポート後編(写真47枚)に続く]
撮影=石垣星児
執筆=森野広明