“本物”であろうとする向上心「2015 SPRING ACT」リハーサルドキュメント前編(写真36枚)

「2015 SPRING ACT」リハーサルドキュメント
この記事は2015年6月6日に「LoGiRL」で公開されたものであり、内容は初出当時のものです。

世界に名だたる多くのアイドル&アーティストを輩出し続けている、アクターズスクール広島。
地方のいちスクールが、なぜこれだけ多くのスターを産み出すことができるのか。
謎に包まれた現代アイドル虎の穴が、いまそのヴェールを脱ぐ───

[前回の記事:アクターズスクール広島とは(写真18枚)


4歳から18歳までの約100人が汗を流す

「2015 SPRING ACT」リハーサルの様子

広島駅から路面電車で15分。
テレビ新広島のビルの中にASHのスタジオはある。開校のころから変わらない。
この場所で多くの子どもたちが夢を胸に抱きながら、汗を流してきたのだ。

エレベーターをのぼりスタジオに近づくと、むせかえるような熱気と、にぎやかな声が聞こえてくる。
そこには100名近くの少年少女たちが集まっていた。

ASHでは、生徒は基本的に、キッズクラス(4〜6歳)、Fクラス(新入生)、BOYクラス(男子、小4~)のほか、Aクラス(小1~小5)、Bクラス(小6~中1)、Cクラス(中1~高1)、Dクラス(中3~高3)と年齢で分けられ、優秀者になるとクラスアップしていくケースもある。

この日は、スクールの発表会「ACTOR’S SCHOOL HIROSHIMA 2015 SPRING ACT」を翌日に控え、通しリハーサルが行われていた。

舞台監督の指示で、リハーサルは淡々と進行していく。
決して怒号が飛ぶようなことはない。しかし、マイクを通して語られる言葉はひとつひとつに重みがあり、そこに一切の欺瞞はない。
生徒の成長のためだけではなく、良いステージを作ることを一番の目的としているのだ。

“本物”であろうとする、飽くなき向上心

「2015 SPRING ACT」リハーサルの様子

リハーサルは本番当日まで何日もかけて行われる。この日だけでも通しリハーサルが2回。
それぞれに担当講師たちからの細かな調整が入り、修正を繰り返していく。
スクールなのにここまでするのか。いや、スクールだからこそできることなのかもしれない。

発表会は開校の年から続くASHの伝統行事で、年に2回行われている。
特徴的なのは、クラスごとの発表のほかに、スクール内オーディションを勝ち抜けば、ソロやユニットでもパフォーマンスができること。

徹底した現場主義実力主義が貫かれているのである。

だからこそ、お互いのパフォーマンスをこれだけ真剣なまなざしで見つめることができるのだろう。
ここには、スターになるために必要なものしかない。
その事実を、ここにいる誰もが知っているのだ。

“本物”であろうとする、飽くなき向上心。
もしかしたらASHとは、現在のアイドルブームの対極に位置しているのかもしれない──。

「2015 SPRING ACT」リハーサルドキュメント後編(写真15枚)に続く]


撮影=石垣星児
執筆=森野広明

ASHはアイドル養成機関ではない「2015 SPRING ACT」ライブレポート(後編)

ASHはアイドル養成機関ではない「2015 SPRING ACT」ライブレポート(後編)(写真47枚)

2015.06.12
半年に一度の大舞台「2015 SPRING ACT」ライブレポート(前編)

半年に一度の大舞台「2015 SPRING ACT」ライブレポート(前編)(写真26枚)

2015.06.10
「2015 SPRING ACT」リハーサルドキュメント(後編)

ふたつの表情が交差する時間「2015 SPRING ACT」リハーサルドキュメント後編(写真15枚)

2015.06.08